今回は詩作を中心に活躍されている最果タヒさんの『グッドモーニング』をレビューします!
『グッドモーニング』は最果さんが京都大学在学中に出版した、作者にとって初めての詩集です。
また、最果さんは表題作『グッドモーニング』で当時女性では最年少の21歳という若さで中原中也賞を受賞しました。
『グッドモーニング』作品情報
- 作品名:グッドモーニング
- 著者名:最果タヒ
- 出版社:思潮社
- ページ数:94ページ
- 初版:2007年10月
著者紹介
1986年、兵庫県神戸市生まれ。
2006年、第44回現代詩手帖賞を受賞。2008年、京都大学在学中に『グッドモーニング』により第13回中原中也賞を受賞。
作品内容
ここでは簡単に作品内容について見ていくぜ!
”yoake mae”という詩が5編があり、最後に”good morning”が掲載されています。
1つ1つの編には複数の詩があり、物語のように詩が展開されています。ある人間が他人とは違う能力を秘めていることを自覚し、最初は世間に気づかれないように内にしまっていましたが、次第に自分を認めてくれる人たちに出会うことで、その才能を開花させようと作品作りに没頭していく過程が描かれています。
感想
この詩集で語られている主人公とは、まさに最果さん自身のことのように読み取れました。詩人として言葉を紡ぐことの葛藤が詩の端々に宿っています。
詩ならではの卓越した心理描写はもちろんのこと、詩のいたるところで見られる改行の使い方や言葉遣いは到底模倣できません。詩を読んでいながら、また別の表現作品を見ているような不思議な感覚でした。
ストーリー性のある詩の構成も新鮮でした。
何度も読み返すと、「ここがこう繋がっていたのか!」という発見もありますね。
活字が苦手なオレでも、すぐに読み終えることができたよ。
詩に興味はあるけど、まだ読んだことのない人にもオススメできる一冊だぜ。
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